儒教のエッセンス/「義」「智」「信」
2019年11月29日
みなさん、こんにちは。東洋と西洋の知の融合研究所事務局の瀧上です。「儒教のエッセンス・孔子/「礼」と「仁」」では※五常の「礼」と「仁」をご紹介しました。今回は残りの「義」と「智」、「信」についてご紹介したいと思います。
※五常(五徳)とは儒教の中で大切とされる五つの徳目で、人として生きる上で正しいこと、望ましいことを表しています
まずは「義」です。「義」とは、義理や義務、正義にも使われていますが、合理的な道筋や道義に合っていること、自然の理にかなうこと、正しい行いを守ること、正義を意味しています。
さてこの「正しい」は何でしょうか。それは、人はここまではしていいけれど、そこから先はしてはいけない、止まらなければいけないという規範であり、それを自分たちが共有できる行動基準や判断基準です。規範や行動基準、判断基準を持つには、自分の中にいつでも自分がよりどころにできるぶれない軸があることが大切になってきます。
次は「智」です。「智」は智恵のことで、単なる知識があるということではなくて、知識を得てかつ正しい判断が下せるような能力を言います。「智恵」があればモノの道理がわかるということです。善悪の判断、何が正しくて何が間違っているか、何はやってよくて、何はやってはいけないか。それがわかることが「智」だと考えられています。
最後は「信」。「信」は 信じる、信念を指します。人と付き合う時の徳で、約束を破らない、人を欺かない、言ったことをきちんと行うということです。
ここまで五常についてご紹介しました。五常は知識として「知っている」というだけでは十分ではなく、実際に体験して自分のものにしていくことが大切です。今後は五常に関わる論語をご紹介していきますので、ぜひご自分の生活の中で五常を意識していただけたらと思います。